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レトルトカレーの夜を、責めないことにしました

レトルトカレーの夜を、責めないことにしました

今日はもう作れない、という日が月に何度かあります。夕方まで用事が続いて帰りが遅くなった日、なんだか体が重い日、理由もなく気力がわかない日。台所に立つ前から、今日は無理だな、と分かってしまう日です。

そういう日は、炊いたごはんにレトルトカレーをかけて出します。サラダもなし、汁物もなし、カレーとごはんだけ。それがわが家の「もう無理」の日の献立です。

以前は、これをするたびに少し申し訳ない気持ちになっていました。ちゃんと作っているお母さんがたくさんいるのに、うちはこれでいいのだろうか、と。もともと料理は得意な方ではないので、なおさら引け目を感じていました。

でも、あるとき気づきました。レトルトカレーの日、子どもたちはいつもより少しうれしそうに食べるのです。そして温めている数分のあいだ、私は椅子に座っていられる。その日の夜だけは、夕飯のあとに残る疲れが、いつもより軽いのです。

頼っていい日はある。そう思えるようになってから、月に何度かのこの夜を、前ほど責めなくなりました。毎日ではありません。でも、余力がない日に無理をして、そのあと不機嫌なまま子どもに接するくらいなら、カレーで済ませて笑っていられるほうがいい。今はそう考えています。

ひとつだけ続けていることがあります。スーパーの棚の前で、箱の裏の原材料をひととおり見ることです。特別なことはしません。最初のほうに、野菜や肉や、自分の知っている名前が並んでいるか。それを見て、いくつかある中から選ぶ。カタカナの並びが長いものより、読んで中身が想像できるものを、なんとなく手に取るようにしています。

料理が上手にできなくても、棚の前で少し考えることならできます。うちが自然食品のお店をやりたいと思っているのも、こういう「作るのが得意じゃなくても、選ぶことでなんとかなる」という感覚を、同じような人と分け合えたらと思うからです。

「もう無理」の日は、これからもなくならないと思います。それでも、その日の食卓が家族にとってふつうの夜になっているなら、それでじゅうぶんなのだと思います。


こけもも店主 石本由貴

この記事を書いた人

石本 由貴natural select shop こけもも 店主

福岡県柳川市で、自然食品店「こけもも」の開業を準備しています。
元・歯科衛生士。自然食品のお店で働いた経験から、食と体のことを考えるようになりました。
小学生の子ども2人を育てながら、料理が得意ではない自分でも続けられる「選び方」を探しています。

こけももは、福岡県柳川市新外町の自然食品店です。オンラインショップでも商品をご覧いただけます。

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