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金曜の夜は、冷蔵庫のすみを集めています

金曜の夜は、冷蔵庫のすみを集めています

買い物に行くのは、だいたい土曜の朝です。だから金曜の夜になると、冷蔵庫の中はいつも中途半端になっています。半分だけ残ったにんじん、しなびかけた長ねぎ、使いかけの豆腐、封を開けたきのこ。どれも一品のおかずにするには足りない量です。

以前は、この状態から無理やり何か一皿を作ろうとして、うまくいかずに落ち込んでいました。もともと料理は得意な方ではありません。冷蔵庫の残りで気の利いた副菜をさっと作れる人に、正直あこがれます。でも、何度やっても自分にはできなくて、金曜の夜がだんだん憂うつになっていきました。

あるとき、もう全部まとめて味噌汁にしてしまおうと思いました。半端な野菜を全部刻んで鍋に入れて、豆腐も残っていれば入れて、具だくさんの味噌汁にする。あとは炊いたごはんと、納豆や卵や海苔のような、火を使わないもの。それで一食にしています。

意外だったのは、子どもたちの食べ方でした。ふだんは野菜を残しがちなのに、こまかく刻んで味噌汁に入れてしまうと、文句を言わずに食べます。だしがきいていれば、にんじんもねぎも気にならないみたいです。

手抜きに見えるだろうな、とは思います。ただ、これを続けるうちに気づいたことがあります。具が寄せ集めでも、だしと味噌がちゃんとしていれば、その一杯はちゃんとおいしいのです。逆に、どれだけ具を工夫しても、土台がぼんやりしていると、なんとなく物足りない味になります。

だから、わが家では味噌とだしにだけは少し気をつけています。味噌は原材料が大豆と米と塩だけのものを選んで、だしは粉末でもいいので、余計なものが入っていないものにする。それくらいのことですが、金曜の寄せ集め味噌汁が、それで十分な夕飯になります。

料理が上手にできなくても、味噌とだしを選ぶことならできる。うちが自然食品のお店をやりたいと思っているのも、こういう「作るのが得意じゃなくても、選ぶことで何とかなる」という感覚を、同じような人と分け合いたいからです。

金曜の冷蔵庫は、これからも中途半端なままだと思います。それでも、その半端を集めた一杯が、家族のふつうの夕飯になっているのを見ると、これでいいのかなと思えます。


こけもも店主 石本由貴

この記事を書いた人

石本 由貴natural select shop こけもも 店主

福岡県柳川市で、自然食品店「こけもも」の開業を準備しています。
元・歯科衛生士。自然食品のお店で働いた経験から、食と体のことを考えるようになりました。
小学生の子ども2人を育てながら、料理が得意ではない自分でも続けられる「選び方」を探しています。

こけももは、福岡県柳川市新外町の自然食品店です。オンラインショップでも商品をご覧いただけます。

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