暮らしのこと
自分のごはんが、いちばん適当
子どもの食事は、それなりに気にしています。好き嫌いは多いし、品数も出せないけれど、皿の中身がぜんぶお菓子みたいな色にならないようには、気をつけているつもりです。ところが自分のぶんになると、話がまったく変わります。子どもたちが食べ終わったあと、台所に立ったまま、残ったおかずをつまんで、それで晩ごはんが終わっている日がよくあります。
座って食べればいいのに、と自分でも思います。でも、片づけながらのほうが早いし、洗い物も一回で済む。気づくと、家族のなかでいちばん適当な食事をしているのは私です。冷めたごはんに、子どもが残したみそ汁。写真に撮るような食卓ではありません。
料理が得意なほうではないので、もともと手の込んだものは作れません。せめて子どもには、と思っていたはずなのに、その「せめて」は自分には向いていませんでした。自分ひとりのために何かを作る気力は、夕方にはもう残っていません。
しばらくそれを、よくないことだと思っていました。母親が自分をないがしろにしている、というふうに書かれた記事を読むと、少し落ち込みました。でも、無理に品数を増やして自分の食事を立派にしようとすると、たぶん三日で終わります。それは経験でわかっています。
最近になって少し見方が変わったのは、家で使うものを見直したときでした。お米、みそ汁のみそ、かける醤油。この三つは、子どもも私も、毎日同じものを口にしています。だから、そこをちゃんとしたものにしておくと、私の「残り物とごはん」みたいな適当な食事も、土台のところだけは家族と同じになる。全部を整えられなくても、いちばん回数の多いところが選んだものなら、まあいいか、と思えるようになりました。
以前、自然食品のお店で働いていたころ、買い物に来る方が調味料の棚の前で長く迷っているのを、よく見ていました。当時はそこまで悩むものかと思っていましたが、今は自分が同じことをしています。手をかけられない日ほど、かけるだけ、のせるだけでそれなりになるものが台所にあると、助かります。
自分のごはんは、これからもたぶん適当なままです。座って食べる日より、立ったまま済ませる日のほうが多いと思います。それでも、器によそうごはんとみそ汁くらいは、選んだものにしておきたい。それは自分のためでもあるのだと、最近は思っています。
この記事を書いた人
石本 由貴natural select shop こけもも 店主
福岡県柳川市で、自然食品店「こけもも」の開業を準備しています。
元・歯科衛生士。自然食品のお店で働いた経験から、食と体のことを考えるようになりました。
小学生の子ども2人を育てながら、料理が得意ではない自分でも続けられる「選び方」を探しています。
こけももは、福岡県柳川市新外町の自然食品店です。オンラインショップでも商品をご覧いただけます。
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