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柳川のこと

隣町に、300年続く酢の蔵がある

隣町に、300年続く酢の蔵がある

我が家で使うお酢は、もう何年も同じところのものです。福岡県大川市の庄分酢さん。柳川のすぐ隣の町にある、300年続くお酢の蔵です。

高橋家の初代が大川・榎津に移り住んだのが寛永元年(1624年)。その後、四代目が酢造りを始めたと伝えられています。1711年の創業から数えて、300年あまり。同じ土地で、同じようにお酢をつくり続けてきた蔵です。

以前グリーンコープの会員だったころ、見学に行かせてもらったことがあります。そのときに聞いて、いちばん心に残ったのが「蔵付き菌」の話でした。

蔵には、長い年月のあいだに住み着いた酵母や酢酸菌がいるのだそうです。その菌が代々受け継がれ、お酢をつくっている。つまり、この蔵でしかできないお酢ということになります。同じ材料、同じ手順で他の場所でつくっても、同じものにはならない。そう聞いたとき、食べものが「場所」と結びついているということを、はじめて実感した気がしました。

つくり方も昔ながらの静置発酵という方法で、発酵に3か月から半年ほどかけるそうです。効率を求めれば1〜2日でつくる方法もあるなかで、時間をかけ続けている。2001年には有機認証も取得されています。約260年前に建てられた酢蔵と母屋は、市の指定文化財にもなっているそうです。

商品は50種類ほどあるとのことで、我が家では「美味酢(おいしーず)」をはじめ、いろいろ使ってきました。どれを買ってもおいしくて、はずれがない。だから、お酢を買うときにもう迷わなくなりました。安定しておいしいというのは、毎日使うものにとって、いちばんありがたいことだと思います。

蔵の2階には、お酢を使った料理が食べられるレストランもあるそうです。まだ行けていないのですが、いつか必ず行ってみたいと思っています。

すぐ隣の町に、300年続く発酵の蔵がある。柳川で店をひらこうとしている今、これはとても心強いことだと感じています。これからも続いて、もっと広がっていってほしい。そう願っている作り手さんのひとつです。


こけもも店主 石本由貴

この記事を書いた人

石本 由貴natural select shop こけもも 店主

福岡県柳川市で、自然食品店「こけもも」の開業を準備しています。
元・歯科衛生士。自然食品のお店で働いた経験から、食と体のことを考えるようになりました。
小学生の子ども2人を育てながら、料理が得意ではない自分でも続けられる「選び方」を探しています。

こけももは、福岡県柳川市新外町の自然食品店です。オンラインショップでも商品をご覧いただけます。

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