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「なんか飲みたい」に、何を出すか

「なんか飲みたい」に、何を出すか

夏になると、子どもたちが台所に来て言います。「なんか飲みたい」

麦茶はもう冷蔵庫にあります。それでも、わざわざ来て言うということは、麦茶ではない何かが飲みたいのだと思います。

かといって、ジュースを毎日出すのは気が進みません。だめだと思っているわけではなくて、ただ、毎日が当たり前になるのは違うかなと感じている、それくらいの気持ちです。でも「麦茶があるでしょう」で終わらせるのも、少し味気ない。

その中間にあるものを、ずっと探していました。

梅のジュースは、候補としてはずっと頭にありました。夏の飲みものとして昔からあるものですし、すっぱさが暑い日に合います。

ただ、店で手に取って裏を見ると、迷うことが多かったのです。梅のジュースを名乗る飲みものはたくさんありますが、原材料に香料や酸味料が並んでいることが、けっこうあります。梅の味を、梅ではないもので足している、ということですね。

それが悪いとは言いません。安く、安定した味にするための工夫だと思います。ただ、うちが「なんか飲みたい」に応えるものとして選ぶなら、もう少し単純なものがよかった。

見つけたのは、原材料が梅と砂糖だけのものでした。紀州の完熟南高梅を仕込んだ、4倍に薄めて飲む濃縮タイプです。

冷たい水で割ると、梅の香りがふわっと立ちます。すっぱさの角が取れていて、思っていたより飲みやすい。下の子はひと口目に「すっぱい」と言いましたが、二口目からは何も言わずに飲んでいました。

濃縮タイプなので、少しずつ使えます。暑い日は氷を多めにして薄めに、炭酸で割ると大人の飲みものになります。凍らせてシャーベットにもできるので、おやつの代わりになる日もあります。

こう書くと手が込んでいるようですが、やっていることは薄めるだけです。料理が得意でなくても、薄めることならできる。私にとっては、そこが大事でした。

夏のあいだ、「なんか飲みたい」は何度も言われます。そのたびに、何を出すか少し考える。その小さな選択が積み重なって、家の味になっていくのかなと思っています。

みなさんは、夏の飲みものに何を出していますか。


こけもも店主 石本由貴

この記事を書いた人

石本 由貴natural select shop こけもも 店主

福岡県柳川市で、自然食品店「こけもも」の開業を準備しています。
元・歯科衛生士。自然食品のお店で働いた経験から、食と体のことを考えるようになりました。
小学生の子ども2人を育てながら、料理が得意ではない自分でも続けられる「選び方」を探しています。

こけももは、福岡県柳川市新外町の自然食品店です。オンラインショップでも商品をご覧いただけます。

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