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うちの居間くらいの、小さな店にしたい

うちの居間くらいの、小さな店にしたい

開きたいお店の広さは、たぶん、うちの居間くらいです。人に話すと「もっと広くしないの」と言われることもありますが、いまのところ、あまり大きくするつもりはありません。

お店を持ちたいと考えはじめたころ、ノートに「どんな店にしたいか」を書き出してみたことがあります。立地とか資金とか、決めなければいけないことはたくさんあるのに、いちばん最初に出てきたのは「お客さんと話せる距離感」でした。棚が高くて商品がぎっしり並んでいて、店員はレジの奥にいて、という店ではなく、通路ですれ違ったときに「それ、うちでもよく使います」と言えるような近さがほしい。書きながら、自分でも意外なくらいはっきりしていました。

たぶん、私自身がそういう店に助けられてきたからだと思います。以前、自然食品のお店で働いていたころ、お客さんによく「これ、どうやって食べるんですか」と聞かれました。特別なレシピを教えるわけではなくて、「うちはこれをかけるだけです」とか「私はこうしています」と話すだけ。それでも、ほっとした顔で帰っていかれる方が多かったのを覚えています。

私は料理がそんなに得意ではありません。だからこそ、調味料や素材そのものを選ぶことに時間をかけたいと思っています。いい醤油なら、かけるだけでちゃんとおいしい。手をかけられなくても、材料がよければ満足できる。そういう実感を、ひとりで抱えているより、店先で誰かと確かめ合えたら心強い。

品数は少なくていいと思っています。その代わり、置いているものについては、なぜそれを選んだのか自分の言葉で話せる状態にしておきたい。全部は無理でも、聞かれたら答えられる。それが小さい店にする理由でもあります。

もちろん、小さいということは売上の上限も低いということで、そこは正直こわいです。それでも、無理して広げて、顔の見えない店になってしまうより、身の丈でやりたい。柳川で、そういう店をひとつ、続けていけたらと思っています。


こけもも店主 石本由貴

この記事を書いた人

石本 由貴natural select shop こけもも 店主

福岡県柳川市で、自然食品店「こけもも」の開業を準備しています。
元・歯科衛生士。自然食品のお店で働いた経験から、食と体のことを考えるようになりました。
小学生の子ども2人を育てながら、料理が得意ではない自分でも続けられる「選び方」を探しています。

こけももは、福岡県柳川市新外町の自然食品店です。オンラインショップでも商品をご覧いただけます。

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