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本当は、半分は不安です

本当は、半分は不安です

開業の準備をしていると言うと、よく「楽しみですね」と声をかけていただきます。ありがたいことですし、もちろん楽しみな気持ちもあります。ただ正直に言うと、同じくらいの重さで、不安な気持ちも抱えています。

私は長く歯科衛生士として働いてきました。国家資格があって、毎日やることが決まっていて、うまくいけば「ちゃんとできている」という手応えを持てる仕事でした。そこを離れて、これまでやったことのない、お店という仕事を始めようとしています。夜、子どもたちが寝たあとにひとりで考えていると、「本当にできるのかな」と、答えの出ない問いがぐるぐる回ることがあります。

お客さんは来てくれるだろうか。品揃えは的外れじゃないだろうか。そもそも料理が得意なわけでもない私が、食べ物を扱う店をやっていいのだろうか。数えだすと不安はきりがありません。

それでも前に進もうと思えるのは、自分自身の病気の経験があるからです。体調を崩したときに、口に入れるものについて初めて真剣に考えました。そこから、グリーンコープの活動を通じて食の安全について学び、広島の自然食品のお店で働かせてもらう機会もいただきました。あのときの学びがなければ、いまここに立っていないと思います。

不安なときほど、頭の中だけで考えず、紙に書き出すようにしています。何が具体的に不安なのか書き出してみると、半分くらいは「いま考えても仕方がないこと」だったりします。残りの半分は、少しずつでも準備を進めれば減っていく不安です。夫に話を聞いてもらうことも増えました。答えが出るわけではなくても、声に出すだけで少し軽くなることがあります。

子どもたちに、何を選んで生きていくかを、言葉ではなく背中で見せたい。その気持ちだけは、不安の中でもぶれずにいます。

「楽しみですね」と言われるたびに、素直に「はい」と答えられる日が、もう少し先にあると思います。それまでは、不安を抱えたまま、少しずつ準備を進めていくつもりです。


こけもも店主 石本由貴

この記事を書いた人

石本 由貴natural select shop こけもも 店主

福岡県柳川市で、自然食品店「こけもも」の開業を準備しています。
元・歯科衛生士。自然食品のお店で働いた経験から、食と体のことを考えるようになりました。
小学生の子ども2人を育てながら、料理が得意ではない自分でも続けられる「選び方」を探しています。

こけももは、福岡県柳川市新外町の自然食品店です。オンラインショップでも商品をご覧いただけます。

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