暮らしのこと
甘くない歯みがき粉に変えた日のこと
子どもの歯みがき粉は、たいてい甘い味がします。いちご味、ぶどう味、ラムネ味。売り場に並んでいるものは、ほとんどがそうです。
うちも長いあいだ、そういうものを使っていました。嫌がらずに磨いてくれるなら、それでいいと思っていたからです。歯みがきを嫌がって泣かれる夜のことを思えば、甘い味で機嫌よく磨いてくれるほうがずっとありがたい。実際、そう思っている親は多いと思います。
ただ、あるとき原材料の表示を読んでみて、少し立ち止まりました。あの甘さは、香料と甘味料でできています。当たり前といえば当たり前なのですが、書いてある文字として見ると、印象が変わりました。
歯みがき粉は、口に入れて、吐き出すものです。飲み込むことは前提にされていません。でも、うがいが上手にできない年齢の子ほど、実際には少し飲み込んでいます。うちの下の子も、しばらくのあいだ、うがいがうまくできませんでした。
それで、味のしない歯みがき粉に変えてみることにしました。
最初の数日は、不満そうな顔をされました。「あじがしない」と言われて、そうだね、としか答えられませんでした。ただ、思っていたより早く慣れました。一週間もすると、何も言わなくなりました。
意外だったのは、親のほうに変化があったことです。
泡立ちが控えめなので、口の中が泡でいっぱいになりません。だから、いま自分がどこを磨いているのかがよく見えます。それまでは泡に隠れて見えないまま、なんとなく磨いていたのだと気づきました。仕上げ磨きが、明らかにやりやすくなりました。
もうひとつ思ったのは、甘い歯みがき粉を「おやつのように楽しみにする」状態から少し離れられたことです。歯みがきは楽しい時間であってほしいけれど、甘さで釣る必要はなかったのかもしれない、と今は思っています。
もちろん、甘い歯みがき粉が悪いという話ではありません。それでうまくいっているご家庭は、それでいいと思います。ただ、うちの場合は、うがいが苦手な時期に飲み込んでしまうことが気になっていたので、変えてよかったと思っています。
お店では、この「味のしない歯みがき粉」を置くことにしました。合成界面活性剤、フッ素、マイクロプラスチックビーズ、防腐剤、着色料が入っていません。発泡剤には無添加の石けんが使われています。作っているのは、福岡県北九州市のシャボン玉石けんという会社です。
大人が使っても、同じように磨きやすいです。うちでは今、家族全員が同じものを使っています。
この記事を書いた人
石本 由貴natural select shop こけもも 店主
福岡県柳川市で、自然食品店「こけもも」の開業を準備しています。
元・歯科衛生士。自然食品のお店で働いた経験から、食と体のことを考えるようになりました。
小学生の子ども2人を育てながら、料理が得意ではない自分でも続けられる「選び方」を探しています。
こけももは、福岡県柳川市新外町の自然食品店です。オンラインショップでも商品をご覧いただけます。
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